2019年4月20日に発売された花とゆめ10・11合併号で暁のヨナ[第174話]が掲載中です。
本記事では暁のヨナ[第174話]「すぐそこに」のネタバレと感想をまとめました!
なお、本ネタバレは【文字のみ】のみですので、
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【暁のヨナ[174話]ネタバレ「すぐそこに」】
真国の神官ゴビの企てによって攫われたヨナを救出するため、戒帝国に乗り込んだ高華国軍は、四龍の働きかけにより戒帝国千州の無血開門を果たした。
これにより千州を支配下に置いていた北戒のトゥーリ族は撤退を開始。
高華国軍はヨナの捜索を本格化した。
そんな矢先、高華国の雷獣と呼ばれるハクは不穏な動きをする自軍の兵を見つけ――。
「トゥーリ族が皆撤退する中、独り、空の部族兵姿で紛れ込むとは、……余程大事な用があるみてえだな。王様」
ハクの声掛けに応じる面差しはトゥーリ族の王、クエルボ。
青白い顔をした敵の一瞬の間と、剣撃。
「!」
それを大刀で受け止めたハクは、更にその眼力を強めた。
クエルボは舌打ちする。
「時間がねえってのに一番会いたくない野郎に会うとは」
「……目的は姫さんか?」
問うて来る相手を睨み返すクエルボだったが、しばらくしてその剣先を下ろした。
「ヨナ姫を……トゥーリ族の戦女神にして高華国と戒帝国を支配する……」
独り言のような呟きを、クエルボは自ら笑った。
「喜べ。その夢は潰えた」
「……じゃあ何しに戻った?」
「どうでもいいだろ」
ハクの重ねる問いに、しかしクエルボは改めて剣を構える。
「やるなら早く来い」
青白い顔で、荒い呼吸を繰り返す相手に、ハクは告げる。
「……時間がねえのはこっちも同じだ。姫さんの居場所を教えろ」
「……」
ハクの視線を真正面から受け止め、クエルボは認めざるを得ない。
負け、を。
「……来い。ヨナは俺の部屋だ」
踵を返し、目的地に向かうクエルボの背に、ハクは今の答えが意味するところを熟考した。考えて、考えて、最終的に口から零れたのは「……は?」という間の抜けた反応だった。
クエルボの部屋に向かう途中、やはりどうしても気になったハクは確認する。
「……おい。危害は加えてねえだろうな」
「あ?」
クエルボは深く考えず答える。
「格別に丁重に扱ったぜ。一緒に寝たし――!?」
直後の殺意。
背後から振り下ろされた大刀を間一髪で躱したクエルボは慌てて言葉を繋ぐ。
「待て! いま俺を殺るとヨナ姫の居場所はわからねえぜ」
居場所云々にハクの動きは止まるが、睨みつける眼力はそれだけで人を殺せそうだ。
クエルボは息を吐く。
「……別に何もしてねえよ。寝床を半分貸してやっただけだ」
「半分……? トゥーリ族はそういう文化なのかよ……」
「ソウデスネ」
迂闊なことを言えば首が飛ぶと察し、クエルボは足早に廊下を進んだ。
そうして見えてきた光景に彼らの足が止まる。
トゥーリ族の兵士達が倒れていたのだ。
「おい、何があった!?」
クエルボが駆け寄って体を起こしてやるも反応は皆無。
「死んでる……」
その事実にハクの表情も変わる。
「姫さんは一人で部屋にいるのか!?」
「……いや。この世で一番信頼する女に任せている……」
一人ではないと否定するクエルボだったが、その表情からは更に血の気が引いていた。
ハクはその姿に何かを感じ取ったが、直後に彼らを襲った殺意。
振り向きざまに弧を描いた大刀が自分たちを狙う複数の矢を叩き落した。
「!」
その反応速度に驚くのは、高華国軍でも、トゥーリ族でもない装いの弓兵達。
ハクは気付く。
「見覚えがある奴らだ。真国で」
「真国……」
クエルボも察した。
「ゴビ……! あいつも裏切りやがったな……」
真国の神官・ゴビ。自分の国で罪を犯し逃亡。四龍を手に入れんがためにヨナを攫い、この戦の引き金を引いた男。
「来るぞ、やれるか?」
「誰にものを言っている」
確認するハクに、クエルボはひどい顔色ながらも笑って応じる。
弓兵が剣を抜く。
「ぶち殺す!!」
同時刻、短刀を胸に抱えて無人の廊下を駆けていたのはクエルボの第一夫人ユーランだった。クエルボからヨナを託された彼女は、しかし逆にヨナに守られてしまった。自分を助けるためにゴビに連れ去られてしまった彼女を、何としても助けるのだと意を決した。
(立ち竦んでる場合じゃない。たとえ独りでも、ヨナ姫を守る……!)
強い決意でもって進む廊下。
その前方から、複数の足音。
(誰か来る)
ゴビ神官の手下だろうか。
それとも高華国の兵士。
撤退したというトゥーリ族の味方でない事だけは間違いない。
本当に独りきり。
けれど退くわけにはいかない。
ユーランは壁際に隠れ、短剣を抜く。
(クエルボ様、私に力を……!)
見えた人影。
「……くっ!」
「! 待て!」
頭上に翳された大刀の刃と、そこに割り込んだ男の声。
「ユーラン……!」
「クエルボ様!?」
味方であるはずがない、と。
ましてや長たる彼が撤退した城に戻るはずがないのに。
(戻って……)
彼は、戻ってきた。
「何があった?」
頭上から振る問い掛けに、ユーランはハッとした。
「も……申し訳ありません……っ、ヨナ姫がゴビ神官に連れ去られて……っ」
「どっちへ行った!!」
即座の応えは見知らぬ男。
ユーランは戸惑いながらも方向を指し示す。
「あちらの方へ……えっ」
すぐさま駆け出すハクの背中に「あの御方は……?」と動揺を隠せないユーランだったが、そんな彼女をクエルボの腕が力強く抱きしめた。
「クエルボ様……」
「……迎えに来た」
迎えに。
その言葉にユーランの瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。
クエルボは続ける。
「トゥーリ族は負けた。この城から撤退する」
だが泣くなと涙を拭ってくれる夫に、ユーランは泣いている理由はそれではないと、思うけれど。
「ヨナ姫は……どうなさるんです……?」
「あの男が行った。死ぬのはゴビの方だろ」
欲しい答えはそれでもないと思うけれど。
クエルボが此処にいる。
その事実だけで、ユーランには充分だった。
更に同時刻、ハク達に協力すべく真国から来ていたアルギラとヴォルドもヨナを救出すべく城内にいた。
だが、先行するアルギラを、ヴォルドは何度も呼び止める。
「アホギラ! おいっ、どこまで行く気だ」
そっちに猫はいないぞと、普段の彼の行動から予測してみるがアルギラの表情は険しいまま。
「なんか、こっちが臭うんだよな」
「臭う?」
「嫌いな奴の臭い」
ヴォルドは自分の衣服を嗅いで、怒る。
「我慢しろ! 確かに数日風呂に入ってないが」
「ゴビだよ。あいつ多分近くにいる」
お前じゃねぇとツッコミも入れてやりつつ、ふと見上げた先。
男に担がれて廊下を行く赤い髪の――。
「ヨにゃん!!」
アルギラが声を張り上げた。
ヨナが、顔を上げた。
「アルギラ!!」
「アルギラだと!?」
同時に驚愕の声を発したのはゴビだ。
アルギラは「見つけた!!」と言うや否や、その廊下に入り込めそうな柱を登り始めるが、ゴビの方もおとなしく待つつもりなどない。
「コウレンめ……こんな所まで」
真国の女王の顔を思い浮かべて苦々しい表情になるゴビは「急げ」とヨナを担ぐ手下に命令する。
「ヨにゃん!!」
「ゴビ神官、観念なさい」
アルギラとヴォルドが追う。
ヨナが二人の名を呼び、延ばされる手を、しかしゴビが妨害する。
「あいつらにだけは捕まるわけにはいかん」
廊下に置かれていた、煌々と炎が上がる松明籠を体で押し倒し、救出の道を遮ったのだ。
「うわっち」
ボオッと激しい音と共に燃え広がる火の道。
「アルギラ……」
逃げ出したくても逃げ出せないヨナの、それでも自分を気遣うような呼び声に、アルギラは必死に声を張り上げた。
「ヨにゃん! 助けに来たよ! 四龍にゃんもユンにゃんも自由になったよ!」
「本当!?」
共に捕まり、人質となっていた仲間が既に救出されていると聞いたヨナの表情に力が戻るのを見て、アルギラは続ける。
「そう! 今、皆で助けに来てるから。ハクにゃんもいるから! すぐそこに! だから、一緒に帰ろ!」
皆がいる。
ハクが、いる。
その言葉にヨナの心は力を取り戻す。
「うん……!」
諦めかけていた気持ちを奮い立たせ、担がれた体を必死に動かす。
「暴れるな!」
「今行く」
アルギラが炎を飛び越えようとし、しかし焼かれて狼狽えたその一瞬。
「!!」
ヨナを担いでいたゴビの手下は、アルギラの腕に苦無を放ち、その体を宙に放つ。
「アルギラ!!」
「やった……」
ヨナとゴビの対照的な声があがった、刹那。
「ヴォルタコ!!」
アルギラの影から飛び出したヴォルドが短剣を放った。
その切っ先はヨナを担ぐ男の心臓を正確に背中から刺し貫き、ヨナの体を解放させた。
「ヨナ姫……お逃げ下さ……」
落ちかけたアルギラの腕を間一髪で掴むも、燃え盛る炎に焼かれて脆くなっていく柵が男二人の体重を支えるのは無理だった。
城が徐々に崩れ、助けに来てくれた彼らは落ち。
「ヴォル……」
ようやく地に着いたヨナの足は、しかし彼らを助けるために動くことが出来なかった。逃亡防止のために足首に着けられた鎖は彼女を傷つけていた。
「っ……」
出血がひどい。
痛みが、ひどい。
周囲には炎が燃え盛り、ヴォルド達の安否を気遣う以前に自身も危うい状況だ。
近づくのは死の足音――。
「四龍を呼びなさい」
耳元に囁かれる恍惚とした言葉は、ゴビの。
「四龍がすぐそこまで来ているんでしょう。ヨナ姫は立ち上がれないご様子。ほら、早く助けを呼ばなくては」
燃え盛る炎の雄叫びと、まるで無邪気な子供がおもちゃで遊ぶような楽し気な要求だった。
「あの時みたいに龍になって助けに来てと、言わなくては、あなたは丸コゲになってしまいますよ」
さあ早く。
早く!
早く!!
狂気とも取れるゴビの要求に、しかしヨナの返事は簡潔だった。
「呼ばない」
ただ、それだけ。
「四龍はそんな風に飛んで来られないし、それが出来ても呼ばない」
「何故!?」
「あなたには……、言っても、わからない……」
「ヨナ姫っ」
だんだんと視界が歪み、ゴビの輪郭も判らなくなってきた。
目がまわる。
手が痺れる。
意識が、
——ヨにゃん
アルギラの声が、響く。
——四龍にゃんもユンにゃんも自由になったよ
——今、皆で助けに来てるから
——ハクにゃんもいるから
——すぐそこに
(すぐそこにいるの?)
ハク。
心の中、その名を呼ぶ。
(何も見えないの)
(息が出来ないの)
(足の痛みなんかどうでもいいから、……逢いたい)
(せめて声が出るうちに、どうして言えなかったの)
薄れゆく意識の中で、ハクにもらった言葉が甦った。
——姫さん
——あんたが幸せになってくれたら
——俺はそれで十分
——幸せですよ
ハク。
(ハク)
(私ね、ハクに好きって言ってもらえて、とても、とても)
とても――。
「ハク……すき……」
ヨナを抱き上げたハクの耳に、力なくか細い声が涙と一緒に零れ落ちた。
以上、暁のヨナ[174話]「すぐそこに」ネタバレでした。
暁のヨナ[174話]「すぐそこに」の感想
174話にしてようやく、たとえ意識が混濁している状況だったとしても、ようやく、ヨナからハクに気持ちが伝えられました。これだけで長年の「暁のヨナ」ファンにとっては涙ものだと思います。
とはいえ、片思いを拗らせ気味のハクですから、まだまだ何かしらあるんだろうなと予想しちゃうのも長年のファンならでは、かもしれません。
ともあれハクがヨナを抱き上げていたのは間違いありませんから、救出は成功、四龍やユンとも再会を果たせそうでほっとしました。
ゴビもいよいよ年貢の納め時でしょうか。ぜひアルギラとヴォルドの二人に真国に連れて帰ってもらって、二度と国外に出さないようにしてもらいたいものです。
次回も楽しみです。
以上、暁のヨナ[174話]「すぐそこに」の感想でした。
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